April 01, 2005

ブラックジャックと札幌_その2

 “ブラックジャック”で、はっきりと地名は出てきませんが札幌の話と思われるものがもうひとつありました。
 冬季オリンピックのスキーコースの跡が荒れ果てているのを復元したいとブラックジャックの小学校時代の担任が寄付をたのむが、BJは断る。その山でBJは怪我をするが、熊に助けられる。そして、BJは熊のために1億円を寄付する。しかし工事中に熊は捕まり熊牧場へ売られ、さらに転売されてサーカスに引き取られる。その熊は、以前撃たれた怪我がもとで大動脈破裂を起こすがBJは熊を見つけ出し手術をして山に帰す。“一ぴきだけの丘”という話です。
 この話のモデルになっているのは、札幌冬季オリンピックの滑降コースが作られた恵庭岳です。札幌近郊で標高差やロケーションから国立公園である恵庭岳にオリンピックだけのためにオリンピック後に復元するとの約束で滑降コースは作られたのです。実際には、オリンピックの翌年から3年かけて復元工事は行われ、16年後には復元されたとされています。しかし、景観の復元が優先され下草用にチモシーやケンタッキーなどの牧草が植えられ周辺にほとんど無いエゾアカマツが植林されるなど問題もあると言われおり、2年前にも北海道自然保護協会から従来の林相へ導くための要望がだされるなど、30年以上たった今も完全に復元されたとはいえない状況です。
 ブラックジャックには、西表島の開発にまつわる話や、公害病の話など社会派の話も結構あるので、今読み返すと子どもの頃読んだのとは違った感動があります。

00:14:47 | nao68k | comments(0) | TrackBacks